本当に効果があるの? 花粉症とタバコ
花粉症にタバコが効果がある、と言うまことしやかな噂があります。これは本当なのでしょうか?
調べてみると単にネット上の都市伝説、と言う訳でもなく、論文としても言及されている部分があるのです。
日本海学推進機構に投稿されている「富山県における花粉症発生率の地域差と環境要因の統計学的モデル化」と言う論文です。
喫煙と花粉症の関係を解析した結果、花粉症診断歴の有る群は喫煙率が低い傾向を認めた。
出典:http://www.nihonkaigaku.org/library/group/i040401a-t1.html
と、言うように書かれています。これだけ見ると、おお!やはりタバコは花粉症に効果があるのか!?と思ってしまいますね。
この部分に尾ひれがついてネットや口コミ上で広がっていったのかもしれません。
しかし、同論文ではこう続けています。
この結果は、花粉症と診断されることで喫煙を控える、または医療機関を訪れなければならないほど症状が強いと喫煙を控える傾向が有ることを示している。要するにタバコを吸うから花粉症が抑えられるのではなく、花粉症を患うと健康に気を使うようになって結果喫煙を控えるようになる人が多くなるのではないか?と分析しているのです。
因果関係が逆なのですね。他にも色々調べて見ましたが、私が調べた限りでは花粉症対策にタバコが効果的と言う説得力のある根拠は見つけられませんでした。
唯一見つけたのが、タバコに含まれるニコチンが血管収縮作用があるので、それで鼻水やくしゃみや目のかゆみなどの炎症を抑えるのではないか?と言う説です。
ただこれが本当だとしても、血管収縮作用を起こしたいのならタバコ以外の方法もあるし、血管を収縮させてしまうのはデメリットも多いです。
私も実はちょっと前まで喫煙者でした。何とか苦労の末禁煙しましたが。
その頃も花粉症には苦しんでいたのですが、喫煙で症状が和らいだという感覚はありませんでしたね。
タバコを吸うことで、花粉症の症状が改善されると言う方は、鼻や喉の粘膜が麻痺して鼻づまりや苦しい感覚が一時的に和らぐ気がしているのかもしれません。一種のプラシーボ効果の可能性があります。
また中にはタバコの煙を吸うと、逆にくしゃみや鼻水が増えると言う方もいます。
花粉症は、ヒスタミンと言う物質が関係しているのですが(花粉症とは参照)、これは身体に異物が入ってくると生成されるもので、タバコの煙を特に嫌っている人は、これでヒスタミンの反応が起きる可能性も考えられます。
花粉症をはじめとするアレルギー反応は、精神的な要素によっても左右されることが多いのです。
広く周知されている通り、タバコはがんとの関連性が指摘されており、他にも様々な化学物質が満載だと言われています。
妊娠している女性が花粉症が苦しいからと言って、タバコに手を出したりするのは言語道断です。
また私も身を持って思い知ったのですが、タバコは依存性も強いです。禁煙には随分苦労しました。
さらにタバコを私の身体は花粉と同じように異物とみなしていたみたいで、タバコを吸っている間のどに痰(たん)が絡まるようになって、違和感を覚えたり酷いと吐き気をもよおすこともありました。
そこまでして吸いたいものかと思われるかもしれませんが、煙を吸うのが癖になるとそれでも喫煙してしまうのです(笑)
鼻水が止まってものどが詰まったら意味がないですね。
またタバコは値段がどんどん上がっています。昔は300円くらいで買えたのに、今では500円に届こうとしています。昨今の情勢を見る限りこれからも値上がりし続けるでしょう。とても経済的な花粉症対策とは言えません。
なので、今喫煙していない人が花粉症対策のために敢えてタバコに手を出すのはおすすめしません。
当サイトでおすすめしている北山村のじゃばらのように安価・副作用や依存性なし・安全なもので体質から改善していくと良いと思います。